🌾 「国産野菜」なのに、種は9割輸入されている理由

※ AI生成のイメージイラストです。
ベジ得シミュレーターは「あなたのベランダで、この野菜がいくら得か」を計算するツールです。 でも今日は少し違う話をします。あなたが育てている野菜——その種が、 どこから来ているか考えたことはありますか。
知られていない事実
農林水産省「種苗をめぐる情勢」は、日本の野菜種子についてこう説明しています。
「我が国の野菜種子は、我が国の種苗会社が、良質な種子生産、リスク分散等の観点から我が国及び南半球を含め複数国で生産し、約9割を輸入、約1割を国内生産するとともに、約1年分を国内で備蓄することで安定供給を確保してきました。」
日本経済新聞(2025年10月)も「野菜種子の自給率わずか1割」と独自に報じています。 野菜そのものの自給率は8割前後とされますが、その野菜を生む種の自給率は約1割。 国産野菜を食べていても、種のレベルでは海外に依存しているという構図です。
なぜ種を買い直す必要があるのか
スーパーで売られている野菜のほとんどは「F1品種」と呼ばれるタネから育っています。 性質の異なる2つの親品種を掛け合わせることで、生育がそろい・収量が多く・品質が均一になるのが特長です。
ただしF1品種には「一代限り」という性質があります。収穫した野菜から種を採って植えても、 2代目は親と同じ形や収量にはなりません。だから農家も家庭菜園も、同じ野菜を安定して作り続けるには 毎年、種苗会社から新しい種を買う必要があります。1960年代(昭和40年代)の高度経済成長期以降、 日本の野菜栽培はこの仕組みへと大きく置き換わっていきました。
これに対し、代々同じ形質を受け継げる「固定種」「在来種」という選択肢もあります。 自家採種ができ、種を買い直さずに毎年育て続けられる野菜です。
誤解しやすい点: 家庭菜園での種採りは違法ではない
「種苗法があるから、種を採ると法律違反になるのでは」という話を聞いたことがあるかもしれません。 正確には、個人的・家庭的な利用であれば、登録品種であっても種苗法の規制対象にはなりません(農林水産省「種苗法に関する一般的なご質問」)。2022年施行の改正で許諾が必要になったのは、 あくまで農業者が営利目的で登録品種を自家増殖する場合です。
ベジ得シミュレーターの品目データベースにも、登録品種の流通が多い品目(ミニトマト・じゃがいも・ さつまいも・いちご)には注意タグを付けていますが、これは「販売・譲渡する際は育成者の許諾を確認しましょう」 という意味であり、家庭で自分用に種を採って楽しむこと自体を止めるものではありません。
🌱 だからこそ、ベランダでできること
「結局、種も輸入なら家庭菜園なんて意味がない」——そう思う必要はありません。 むしろここが、個人ができる数少ない現場です。
固定種・在来種の苗や種を選んで育て、種を採ってみる。それは「野菜を育てる」だけでなく、 「タネのレベルで自給する」という、もう一段深い自給です。1株からでも始められます。
ベランダで何が育てられるか試してみる →よくある質問
野菜の種の自給率が低いのは本当ですか?
はい。農林水産省「種苗をめぐる情勢」によれば、日本の野菜種子は約9割を輸入し、国内生産は約1割にとどまります(国内で約1年分を備蓄)。日本経済新聞(2025年10月)も同様に「野菜種子の自給率わずか1割」と報じています。
F1品種の種を採って植えても育たないのですか?
発芽はしますが、親と同じ形・収量になりません。F1品種は異なる親を掛け合わせて作る一代限りの品種で、2代目からは性質がばらつくため、種苗会社は毎年新しい種を交配して供給しています。同じ野菜を安定して作り続けるには、種を買い直す必要があります。
家庭菜園で種を採ったら法律違反になりますか?
個人的・家庭的な利用であれば、登録品種であっても種苗法の規制対象にはなりません(農林水産省「種苗法に関する一般的なご質問」)。2022年施行の改正で許諾が必要になったのは、農業者が営利目的で登録品種を自家増殖する場合です。家庭菜園で自分用に種を採ること自体に法的リスクはありません。
※ 統計は取得できた最新の公的資料に基づきます。数値は今後の資料改訂により変わる可能性があります。 出典: 農林水産省「種苗をめぐる情勢」・農林水産省「種苗法に関する一般的なご質問」・日本経済新聞(2025年10月)。